クロアワビ

クロアワビの概要

分布キーワード:,
項  目詳  細
名  前クロアワビ
分  類古腹足目ミミガイ科アワビ属
学  名Haliotis
分  布日本列島の太平洋側では房総半島から九州にかけて、日本海側は全域に分布

形態・特徴

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形態

アワビは二枚貝の片側の貝殻がなくなったように見えるが巻き貝の仲間で、巻いている部分が楕円形に変化したもの。殻長15cm~20cm、殻幅17cm、殻高7cmほどの大きさ。「呼水孔」と呼ばれる穴が4個から5個開いているが、ここから卵や精子、外套腔に吸い込んだ水や排泄物を放出する。一方、貝殻内面は真珠層で虹色の美しい光沢があり、殻長が9cmほどになるのに3年、11cmほどになるのに4年かかるといわれている。

異名

クロガイ、オガイ、オンガイ

特徴

水深4~5mくらいの浅い岩礁域に生息し、夜行性で昼間は岩の隙間などに身を隠すように潜んでいる。主にコンブやカジメなどの大型の海藻類を食べる。生殖腺が発達すると緑色(卵巣)が雌で灰色(精巣)が雄と、色で雌雄を見分けることができる。産卵期は初秋から冬にかけて。
古代から食用とされており、日本でアワビと呼ばれるものはエゾアワビ、マダカアワビ、メガイアワビ、クロアワビの4種類。いずれも高級食材だが、クロアワビはその名のとおり貝殻の外側が黒褐色なのが特徴で、味も最もうまみが強いため高価とされている。
ちなみに伊勢神宮の神饌ではあわびを薄く伸ばして乾燥させた「熨斗(のし)あわび」が使用されているが、これは贈答品などに使用される熨斗の起源といわれる。

旬は産卵前の初夏から夏にかけて。身がつまっていておいしい。

選ぶときのポイント

元気に動き回る活きがいいものがよい。持った時にずっしりと重みがあるものもよいとされる。

多く含む栄養素

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高タンパク、低カロリー。海藻を主食とするため海藻の栄養素がたっぷりの食材。ビタミンB1、ビタミンB2などのビタミンB群、銅、亜鉛、鉄分、マグネシウムなどのミネラルが豊富で滋養強壮に効果があるとされている。美肌に欠かせない、骨を丈夫に保つ作用もあるとされるコラーゲンも豊富。また、眼の網膜を守り、肝機能の強化により疲労回復効果も期待できるタウリンも多く含む。

食感

生で食べるとコリコリとした食感が特徴。加熱すると身は柔らかくなり、モチモチとした食感に。

調理法

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刺身

身を薄く切った刺身はコリコリとした食感とほどよい甘味とうまみがやみつきに。

蒸す

酒蒸し
身の表面を塩もみして汚れとぬめりを落とし、酒と水を同量ずつ入れた蒸し器に殻つきのまま入れ、弱火で2〜3時間じっくりと蒸す。

焼く

バター焼
身を殻から外してヒモと肝を取り除き、身の表面に細かい格子状の切り込みを5mmほどの深さで入れる。フライパンにバターを適量入れ、中火で両面を焼く。お好みでヒモや肝を入れて焼いてもよい。最後にすりおろしにんにく、塩、コショウを混ぜたソースを絡める。