エゾボラ(マツブ)の概要
項 目 | 詳 細 |
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名 前 | エゾボラ(マツブ) |
分 類 | 新真生腹足目(吸腔目)エゾバイ科エゾボラ属 |
学 名 | Neptunea polycostata |
分 布 | 三陸沿岸・北海道 |
形態・特徴
形態
殻高約15cm、殻幅約10cmの巻貝。貝殻の成長脈がヒダ状にめくれあがっている。殻の表面は肌色から褐色で、殻口の内部は明るい橙色、食用の部位となる足はクリーム色。吸盤には多くの斑点がある。
異名
マツブ、ツブ貝、蝦夷法螺
特徴
「ツブ」とはエゾバイ科の総称である。寒海性で三陸沿岸から北海道、ベーリング海に生息する。ツブ貝と呼ばれるなかでもマツブは高級品で、北海道道東産のものは最上級とされる。また、寿司ネタとしても人気が高い。
足の部分にある白く柔らかい塊は唾液腺で、毒性を持つテトラミンが含まれている。加熱や冷凍しても除去できないため、下処理の時点で必ず取り除く。万が一摂取すると、後頭部の頭痛・めまい・吐き気・眼底の痛みなどを引き起こすおそれがある。
旬
最もおいしいのは春先だが、初夏から夏にかけての産卵期を避ければいつでも楽しめる。
選ぶときのポイント、その他
刺身などで生食する場合は身がよく動くもの、粘液が出ていないものを選ぶ。
多く含む栄養素
高タンパク、低カロリー。鉄分とカルシウムが豊富なので貧血の予防に食べたい食品。また、筋肉の疲労回復によいとされるタウリンも多く含む。グルタミン酸などの必須アミノ酸も摂取できる。
食感
生食はコリコリとした食感。さざえなどと比べると磯の香はそこまで強くなく、食べやすい。
調理法
刺身
刺身
大きめで新鮮なものは刺身で食べるのが美味。醤油だけでなく、塩で食べるのもよい。
煮る
煮つけ
エゾボラはよく洗ってしばらく水につけたあと、熱湯で10秒ほど下ゆでする。鍋にエゾボラの口を下にして入れ、水と酒を加えて加熱し、さらに醤油・みりん・砂糖で味付けしながら煮る。ワタからいい出汁がでるので、奥深い味わいに仕上がる。
アヒージョ
刺身用のエゾボラを食べやすい大きさに切る。小さめの鍋にオリーブオイルとみじん切りにしたにんにくを入れて弱火で加熱し、香りが出てきたらエゾボラを入れ、火が通るまで煮る。