コウイカ

●名前
コウイカ

●分類
コウイカ目コウイカ科コウイカ属

●学名
Sepia (Platysepia) esculenta Hoyle,1885

●分布
日本では富山湾・外房以南

●形態・特徴
イカは貝類と同じグループで貝殻を持つが、コウイカは舟形の貝殻(甲)を持つことが名前の由来となっている。また、墨を多く持つことから関東では「墨イカ」、甲の先に針状の棘が出ていることに因んで関西では「針イカ」とも呼ばれる。
普段は外洋の水深60m~150mあたりを回遊しているが、早春から初夏にかけて産卵のために内湾の浅瀬にやってくる。産卵後は雄も雌も死んでしまう。寿命は1年ほど。孵化したイカは翌年春には成熟し、産卵して死ぬ。
旬は産卵前の冬から春先。味がよく、高値で取引される。また、産まれて間もない5cmくらいのものも「新イカ」として珍重される。
コウイカを選ぶ時のポイントは目がきれいな黒色をしているものを選ぶこと。その他、全体に透明感があり、表皮の縞模様がはっきりとしているものを選ぶとよい。

●多く含む栄養素
身には良質なタンパク質が豊富。また、タウリンも多く含む。タウリンにはコレステロール低下作用、肝機能強化作用があるだけでなく、視力向上にもよいとされる。 さらにイカスミには防腐効果があり、抗がん作用も期待できる。

●食感
冬から初夏にかけての成熟したコウイカは肉厚で甘味が強い。熱を通してもあまり硬くならないので煮物などにも適している。

●食べ方
コウイカはアオリイカと並ぶ高級イカ。寿司ネタでも人気。刺身もよいが、焼いても煮ても美味。

・刺身
墨をつぶさないように丁寧に内蔵と甲を取り、汚れを流水で素早く洗い水気をよくふき取る。これ以降は味が落ちるので、水で洗わないようにする。
皮をはがし、適度な大きさに切り分ける。切れ目を入れると食べやすい。
・炒め物
炒め物にする時は、全般的に短時間で炒めた方が食感も味もよい。
・ゲソと野菜の煮物
ゲソは里芋や大根などの野菜と煮ると非常に美味。コウイカの旨味が野菜にしみ込んで酒の肴、ご飯の友に最適。